どうなる?!ピートモス問題
- kakoenaichi
- 2023年9月23日
- 読了時間: 3分
こんにちは!愛知のユリ栽培でお馴染みの花好園です。
今回はどうやら農業界隈では最近問題になっている?ピートモスに関するお話をしたいと思います。
【ピートモスとは?】
ピートモスとは、泥炭(でいたん)地帯に生育する湿地植物の残滓から作られた育成土のことです。古くから園芸用育成土として使われており、水はけがよく栄養素を良く保持するため、植物の生育に適しているとされています。
写真だとこんな感じです。

ホームセンターにも売られているので、知ってる方も多いかと思います。
私たちもユリの球根をルーティングする時などに使用していますが、わざわざは購入していません。球根が届く際にはコンテナに詰められているのですが、その緩衝材を兼ねてピートモスが詰められています。それをそのまま使用しています。
【ピートモスを使った栽培のメリット】
1. 水はけが良いため、過湿になりにくい。
2. 酸性のため、酸性土壌を好む植物にとって適している。
3. エキスが含まれているため、育成促進効果が期待できる。
4. 栄養素をしっかり保持し、植物の生育に必要な素材が含まれている。
ざっとメリットと言えばこんなところでしょうか?ピートモス単体で収穫まで作物を育てるということはありませんが、土壌資材としてはかなり使い勝手が良いです。
【ピートモスの課題点】
近年では、ピートモス採取の過剰利用による生態系の破壊が問題となっています。
☝️これ、そもそも知ってる方いますか?私も大学の研究室(園芸専門です)で論文を読むまで全く知りませんでした。。
ピートモスは特定の泥炭地でしか採取ができず形成に数千年もかかるため、採取量が増えすぎると再生が追いつかなくなる、とのこと。また、採取現場での生物の喪失や土地の沈下も問題とされています。
よく化学肥料の問題で資源の枯渇(これはまた別途記事にしますね)が挙げられますが、同じようにピートモスも課題に直面しています。
【代替資材の利用】
最近ではピートモス代替品の開発が進められています。代替品としては、ココナッツファイバー、松かさ、落ち葉などが挙げられます。いわゆるバイオ資材、と言ったところでしょうか。
またバイオ炭と呼ばれるものも効果的なようです。これら代替品は、環境面で有利であるとともに、栽培にも適してくるなど、注目されています。
学生時代に作成した資料の載せておきます。参考にどうぞ。
【まとめ】
ピートモスは、植物栽培に適していることから、古くから園芸用育成土として用いられていますが、その採取による生態系の破壊が懸念されています。最近では代替品の開発が進み環境面での有利さが期待されます。栽培をする際には、ピートモス採取に関する問題にも目を向けていくことめ重要になりそうです。
ほんなら、また〜!
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